攻め・守り・信念の矛盾対決

井原嗣治  vs  五子 中田良知

           記録 井上泰子

                                高野圭介 観戦記

2007.10.17 於 いずみ碁ジャパン
128手止め 時間切れ無勝負




江戸のツウ

井原さん


井原さんは
東京なんぞ、一生来るものか」と、思っていたそうな。
それが「東京は第二の故里」と思うくらい、江戸通うになっている。

それは東京に彼の遊邸を置いたことからだった。



コモキュウ信者


中田さん


対する中田さんは
碁はコモキュウ!」と、コモキュウ信者である。

そして、
風見鶏ならぬ風見櫓から盤中を見渡す訓練に大わらわの由。
それかあらぬか、五子とは言え、全局のリードぶりに刮目した



井原さんの詰碁

人智を超えて


片や、
井原さんの死活に関する感覚はこれまた人智を超えている。

早朝5時から1時間で平均7個の詰碁を1年間作り続けた達人だ。
本局も、黒の猛攻をシノギに凌いで、終いにどんでん返しは十八番。



遂に、時間切れ

無勝負



遂に、時間切れで分けた。

中田さんは「わー助かった!」と本音で歓声を挙げた。

事実「これからが勝負!」とは井原さんの腹の中であったろう。